読書好きの”私”による本とゆずの紹介がメイン。あと、バイクや、図書館司書資格取得に向けた日々の奮闘記事も書きます! 気になったことや、素敵!と感じたことをどんどんオススメしていきます。
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『症例A』 多島斗志之
2013年06月24日 (月) | 編集 |
多島斗志之の『症例A』を読みました。
帯には「”信じる”ことの本当の意味を考えさせられました」とありますが、私にはいまいち共感しかねました。
そもそも、2000年の”このミス”第9位に輝いたそうですが、ミステリーではないと思いました。
ミステリーの定義とはなんぞ?と。

まず、作品が2本柱からなっています。
精神病院に勤務する医師、榊先生のストーリーと、首都国立博物館(通称、都博)に勤務する学芸員、江馬さんのストーリー。
江馬が都博に収蔵する美術品の贋作疑惑を調査し、手掛かりとなる人物が精神病院に入院していることを知る。その精神病院と言うのが榊が勤務する病院で、そこで初めて2人は接触することになる。
江馬の探していた人物は、病院の診療方針から外れて隔離されており、面会が禁止されていることに榊は疑問を抱き、おそらく病院に勤める医師としての誠実さから、その患者について調べることで、江馬の謎を解決する手掛かりとなっている。

しかしながらこの作品は、タイトルの通り本題は博物館の謎解きではなく、榊を中心に繰り広げられる患者や臨床心理士とのやり取りであるはずで、そのことが博物館の話題によって薄れてしまった印象を受ける。
なぜなら、江馬にとって榊は問題解決のためのキーパーソンであったけれども、榊にとっての江馬はそうではなかったから。
むしろ、榊にとっては博物館のストーリーはなくても良かったのでは、と思えるのです。
それに、ミステリー性はどちらかというと博物館のストーリーにあり、精神病院のストーリーは医師として患者や病気や医療体制に正直に向き合った榊という人間の、心の迷いや奮闘ぶりを描いているにすぎません。
もちろんそのストーリーは背景や説明が事細かでしっかりとした作りではあります。

一度で二度おいしい、と言えばお得感はありますが、いまいち焦点が定まらない印象が残りました。

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下記は、既読の人のみお読みいただきたいのですが、
上にも書いたとおり、主題は精神病院であるべきだと思うのですが、実は博物館の方を主題においている(本来書きたかったこと)のではないかと思っています。
臨床心理士の広瀬由紀は解離性同一性障害で、もともとの人格は由紀ではなく、真由美でした。
同じく、榊の患者である亜左美も解離性同一性障害と最終的には確信され、もともとの人格は小織でした。
もとの人格だと思っていた由起や亜左美は、実は別の人格で、もとの人格の頼りない部分をカバーし、対照的な人格として誕生した人格でした。
その姿と本を照らし合わせると、本当は博物館のストーリーを書きたかった、でもそれを補うために作られた精神病院のストーリーがずいぶんよりも大きくなり、前に出てきてしまった。タイトル(読者にしてみると最初に触れる本の”名前”ですよね)も『症例A』とし、誰もがその本は精神病院の本だと思って疑わなかった。
でも実は、もとの人格(主題)は博物館のストーリーである。
・・・という構図が成り立つのではないかと。
どうでしょう?無理がある?

こう考えると、この本が「ミステリー」と言われても納得するんだけれど・・・

読まれた方は、感想をお聞かせ頂けると嬉しいです。
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『県庁おもてなし課』 有川浩
2013年06月21日 (金) | 編集 |
有川浩の『県庁おもてなし課』を読みました。映画化もして話題になっているあの”おもてなし課”です。
「なにも起こらない映画」というのは的を得ていて、確かに何も起こらない。
何かを起こそう、始めよう、と奮闘している人たちの物語です。

主人公は県庁の若手職員、掛水くん。
高知県を観光立県にしようという目標の下、あーでもないこーでもないと、「お役所」の人が知恵を絞ります。
そこでであった、高知県出身の作家、吉門さん。
高知県の観光大使となることをきっかけに、吉門と掛水の交流が始まります。

交流といえど、大半は「民間感覚」の欠如している「お役所仕事」に対する吉門からのダメだし。
掛水はダメだしの度に目から鱗、ショックを受けながらも吉門の言葉にいちいち反応し、それなりの動きをみせます。
欠如した「民間感覚」を養うために吉門から出された注文は、学歴がなくても良いから、気が利いた民間の女の子を雇い、プロジェクトに混ぜること。
そこでタイミング良く雇われたのが、多紀ちゃん。
この多紀ちゃんが、頼りない掛水をかっこいい男にするのに物語上、とっても重要な役どころとなります。
それは単なるヒロインとしての存在に留まらず、陰での努力、そして、生まれながらの聡い感覚。

この3人の役どころが、非常に良い!
他にも重要人物はいるんですが、何よりも吉門の窓口として頑張った掛水と、それをフォローした多紀ちゃんに拍手を送りたい。

別の視点でもう少し感想を書けるんですが、この辺で。
「別の視点」は本を読んでからモヤモヤする感じを味わってほしいです。

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『冷静と情熱のあいだ Rosso』 江國香織
2013年06月18日 (火) | 編集 |
江國香織の『冷静と情熱のあいだ』を読みました。
辻仁成の『冷静と情熱のあいだ Blu』は未読です。

Wikipediaによると、同じ時系列に起こる出来事を、江國はあおい(Rossoの主人公・女性)の目線で、辻は阿形順正(あがたじゅんせい)(Bluの主人公・男性)の目線で描いている、とのこと。

Bluを読んでいないので何とも言えませんが、Rossoの中のあおいは、非常に近付きがたい。
小説の中でも友人に言われていたのだけれど、正直、人付き合いが下手である。
なのに、そんなあおいを心から愛している恋人のマーヴ。
あおいとマーヴはイタリア・ミラノで一緒に暮らしており、何一つ不自由のない生活、満ち足りた毎日。
おそらく、そんな生活が3年以上続けば、多くの人間は、今いる相手と将来は結婚するのだろうと思い、
将来結婚したいと思うのあろう状況。
でも、あおいはマーヴに100%の心を打ち明けられず、無意識のうちに昔の恋人である順正のことを思っている。
忘れたいと思いながら、忘れたくないと思っている。
しかも、マーヴはあおいが自分に心を許していない、あおいが自分に寄り添おうとするのを拒んでいることに気付いている。

うーん、マーヴが可哀想だよ・・・。
すっごい良い人なのに。でも、マーヴがすごい素敵な人間で、自分のことをすごく愛してくれていることは、あおいも分かっている。
そして、あおいがマーヴを心から愛していることもまた、事実なのである。

あおいの決断、マーヴの優しさ、順正の影響。
私の知り得る限り、最大の”未練”が詰まった、”未練たっぷり”の小説です。

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Bluも追々読みたいですね。

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『旅猫リポート』 有川浩
2013年06月17日 (月) | 編集 |
有川浩の『旅猫リポート』を読みました。
猫好き必見の作品です。涙なしには絶対に読めません。

主人公はサトル(人間・男)かナナ(猫・男)か。
たぶんどちらも!!
サトルがやんごとない理由でナナを手放さなければならなくなり、新しい飼い主を求めて旅をする話。
旅先は、サトルの「僕の猫を飼ってくれませんか」というメールにに返事をしてくれた友人たち
その旅先での出来事が、主にナナの目線で語られる。
あれ、主人公はナナかなぁ?

猫好きな人は、ナナの視点、考え方、語りにうんうんと頷きながら、
猫を飼ったことがないひとは、新しい発見を拾いながら本を読み進めること間違いなし。

名前はナナです。尻尾の先が、数字の7に似ているから。

そんな風に飼い主に紹介されて喜ぶ猫が、世の中には何匹いるだろうか。

実家にいる猫(20歳のおじいちゃん)が、ずいぶんと愛おしく感じました。

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『とある飛空士への誓約』1,2 犬村小六
2013年06月17日 (月) | 編集 |
犬村小六の『とある飛空士への誓約』1巻&2巻を読みました。
過去最大級のロングストーリーとのことなので、何巻まで続くのかな・・・
おなじみ?飛空士シリーズの最新作です。

主人公は7人の飛空士を目指す少年少女。
内訳は、少年3、少女4です。
1巻と2巻の表紙が、イリアとミオの単独イラストなので、この調子で7巻まで続き、最終話になるのかなぁ。

7人は士官学校に通い、卒業後に軍人となる者同士。
河南士官学校4回生の かぐら(女)、3回生の清顕(男)とミオ(女)
エアハント士官学校4回生の バルタザール(男)、3回生のイリア(女)、ライナ(男)、2回生のセシル(女)。
河南士官学校の3人は、親善飛行の後、エアハント士官学校へ編入する。
どの登場人物も優秀な生徒という設定で、生徒7人で親善飛行をやり遂げ、エアハント士官学校で切磋琢磨し、卒業後は母国の軍人となることを目指す。
かぐらと清顕は秋津連邦の人間であるが、他の5名はセントヴォルトの人間のため、将来的には他国の軍人同士という関係となり、現状では友好関係を築いているものの、いつ、どんな情勢で敵国となるか分からない。
そんな未来が予測される中、7人は1つの誓いを立てる。

「たとえ敵味方に別れようと、我々は憎み合うことはない。友情は永遠だ。」

しかしながら、7人はそれぞれ、抱えているものがあった。
秋津連邦、セントヴォルトではない第3国のスパイとして潜入している者
その第3国に滅ぼされた小国王家の生き残り
父親同士の確執
第3国を滅ぼすことを胸に誓う者・・・

後に「英雄」5人と「裏切り者」2人として語られることになる7人の少年少女の恋と空戦の物語。
その序章に過ぎない1巻と、大きく動き始める第2巻、読み始めたらもう止まりません。
早く次が読みたい!

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↓3巻は7/18発売のようです!表紙イラストは「バルタザール」に1票!

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『イノセント・ゲリラの祝祭』 海堂尊
2013年06月11日 (火) | 編集 |
海堂尊の『イノセント・ゲリラの祝祭』を読みました。
おなじみ、バチスタシリーズの田口・白鳥コンビ第4弾です!というには、正直物足りない、というのが感想です。
なんせ、ほとんどコンビで活動しません。
そして、文庫版解説にもあった通り、「ミステリーかどうかは別にしても、書かないわけにはいかなかった」というのがこの本の誕生理由だと思います。

今回の物語では、田口先生が医療事故調査委員会に出席するために厚生労働省に乗り出すため、舞台のほとんどは東京・霞が関です。
ここでは特別大きな事件は起きず、田口・白鳥がメインで活躍するわけでもなく(陰では活躍します)
おそらく著者が小説を通して最も伝えたいことが、「彦根」という登場人物によって語られることがメインです。
『チーム・バチスタの栄光』と『極北クレイマー』との繋がりが強い作品なので、桜宮サーガを楽しみに海堂作品を読み進めている人は是非、といった感じですが
単純に小説として楽しみたい場合は、あんまり楽しめない、と我ながら少々辛口な感想を述べてみます。

医療関係者の人が読めば、楽しめるのかな、とは思いますが。
なので、シリーズの中ではイマイチな印象です。
『極北クレイマー』は未読で、読もうかどうか迷っていたのですが、『イノセント・ゲリラの祝祭』を読んで、読んでみたいな、という気持ちに変わりました。

・・・そういう作戦か!!

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『キケン』 有川浩
2013年06月06日 (木) | 編集 |
久しぶりの有川作品です。『キケン』を読みました。

「キケン」=機械制御研究部 の略。決して「危険」ではない。
しかしながら、「危険」な行いはしばしば。

大学を舞台にした青春ストーリーで、(大学を問わず)学生時代に何かに夢中になって取り組んだ経験がある人は、楽しく読み進められると思います。
本の中の彼らと、夢中になった対象は違うものの、仲間と”楽しい!”と思えることをただひたすらに取り組む。
これぞ青春。

私は、高校生の頃の学校際の出来事を思い出して楽しい気分になりました。
多少なりとも恋愛模様も登場するものの、ベタ甘な展開にはならず、それはそれは不器用な男の不器用な恋が描かれています。
なので、有川作品だからベタ甘恋愛を希望!という人にはいまいちかと。
私は、図書館戦争シリーズとはまた違った角度のストーリーをとても楽しく味わいました。
むしろ、こういうの大好きです。

↓以下は、既読の方のみお読みください。

エピソードごとに展開される「自分」と彼女とのやりとり、私は最後まで元山君か池谷か分かりませんでした。
どこかに気付きポイントはあったかしら?
最初は大神かなーと思ったんですが、2話目で違うな、と気付き、そのあとはどっちか分からず・・・
黒板を見てあぁ、元山君ね!
確かに物語の最初から元山君目線だったもんね!と納得した次第です。
でもさぁ、大学生の元山君と10年後の元山君、違いすぎないかい?
ちょいとクールになりすぎてるのは彼女(妻ですが)が横にいるからでしょうか。

伽羅の中でいちばん好きなのは、大神ですね!次は池谷。う~ん、迷うなぁ。
子煩悩な大神も見てみたいし、おそらく表紙の絵と変わらない表情の池谷も見たいですね!
4人のバランス、絶妙で大好きです!

キケン

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今月、文庫版も出るみたい!

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『沈黙』 遠藤周作
2013年06月04日 (火) | 編集 |
遠藤周作の『沈黙』を読みました。
読み終わるまでなんと3カ月もかかってしまった・・・
早く次が知りたい!となるような本ではないです。
ですが、「ほほ~ぅ」と思うことがあったので少しコメントします。

昔々、日本でキリスト教が禁じられ、踏み絵などが行われていた時代。
キリスト教布教のために、2人の司祭が日本に密航してきました。
信者の援助を受けつつ、ひっそりと活動する中、案の定裏切り者が出て、逃げることとなります。
そして最後には役所の人間に捕まってしまう。

司祭は、それまでも苦難があったら神に祈りをささげ、神を信じてここまでやってきました。
しかしながら、最後の最後まで、信じる神は「沈黙」を貫いている。
どんな苦境に立たされ、必死に祈りをささげても、神の御加護がない・・・
それでも、信じ続けることに意味はあるのか?と司祭は自問自答します。

信じるものを信じ続けられるか
見返りがなくても信じ続けることができるのか

キリスト教、というよりも
宗教、信条、自分の道、そういった「信じるもの」について
書かれた作品だと思いました。

沈黙 (新潮文庫)

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